蘇る、羊毛。
和服は反物を裁断する際、生地の余りが出ないように考えられています。
それは、資源を無駄にしない事を常としていた日本人の心の現れです。
中でも「羊毛は」、牧羊に苦戦した我々にとって特に貴重な天然繊維でした。
愛知県一宮市を中心とする日本最大の繊維産地、「尾州」では、古くより羊毛再生の文化があります。
使わなくなった衣類は集められ、
反毛することで、再び繊維に戻し生まれ変わります。
手間暇を惜しまない事で、羊毛は何度でも蘇り、豊かな暮らしを与えてくれるのです。
“毛七”
半世紀前より紡がれる、羊毛の輪廻。